こんなこと起こるはずがない。でも起こるかも知れない。
高校生の拓哉は、家族5人、海の見える田舎町で仲睦まじく暮らしていた。
ある日、看護師である母・明子の献身的な姿を思い出し、 拓哉はネット掲示板でヘルプライン『桜の樹の下で』を立ち上げる。
そのとき、明子と苦しむ人々に「最後まで寄り添い続ける」約束を交わす。
時は平安。越後の山村で暮らす童女ヒナの前に不思議なひとが落ちてきた。
そのひとの名はフェノエレーゼ。悪行三昧の末、罰として翼を封じられた天狗でした。
もしなにかにつまずいて、前向きになれなくても、立ち上がれなくても「どんとこい!」。
一歩を踏み出して、そこに何かあればラッキーやん。
夫を亡くし絶望した女性が、家族から離れ、目の前にある自分だけの幸せを選んだ。