遠い昔の話ではないが、とはいえそう最近の出来事でもない。
作家、小張偉臣は山奥のこぢんまりとした宿で暮らしていた。
そこへ作家のファンだという娘が現れて――。
人類は生命体が機能を亡くした場合、肉体と心思に分かれる。
肉体は機能不全となり荼毘に付され、骨となりいずれは土に返る。
主人公チコは、強迫性障害や潔癖症をともなう不安神経症がエスカレートし、会社を辞めてニートになった。恋人に励まされながら、社会復帰を目指す日々。そんな生活の中で、チコは自分自身を見つめ直し、人生における大切なことに気付いてゆく。
吉尾健太郎の幻想短編集。表題作に加え、「ワンダーランド」「エデンの園」「エンピツ君物語」「仮想酒場」の4篇を収録。
佐田塔子は中堅広告会社に勤めるアラサー女子。年下彼氏との結婚を夢見ているが中々ゴールイン出来ないでいる。
そんなある日、塔子は小さい頃から好きだった絵本作家の絵画展に出掛ける。
そこで彼女は「菊の庭」の絵と出会う。