殺人を目撃した青年が、その行為に感化されて自らも殺人を犯す。虚無感の中に生きてきた青年が見つけた生きがい。人はなぜ人を殺すのか?―これは、純粋な悪に陶酔した青年の物語。
洋画家の歌楽は、旅行先の高山で偶然入ったラーメン店で、旧友川東とその妻文絵に遭遇する。
35年前、歌楽は雪のように白い肌をした芸者雪野に出会い、出世作『雪に生きる女』を描いた。
その雪野こそ、あの頃と変わらない美貌を保つ文絵だった。
『森のカフェでCoffee Break Ⅰ』、『森のカフェでCoffee Break Ⅱ』を手掛けたメイ・Kによる2年ぶりの新作。
あたたかく、どこか不思議で人間味あふれる中短編小説5編と、著者自身の体験をもとにした「とはずがたり」2編を収録。