本書の内容は、数学と物理学に対する哲学的な考察です。
まずは、無限集合論を中心に語られています。次に、無限集合論からなる非ユークリッド幾何学に触れて、最後は非ユークリッド幾何学からなる相対性理論にも言及しています。
この3つの理論は相互に密接に関係しています。
数学理論と物理理論の考察を哲学的に行なうときに注意したのは言葉の使い方です。できるだけ難しい数式や論理式を省き、その代わりに誰にでもわかるように漢字の少ない文章を選びました。
激動の天保期。巨大な陰謀の渦。
〈志〉とは何か。〈悪〉とは何か。
時代を動かそうとする者たちと、踏みにじられる者たちとのはざまで、この世の枠組みを越えてゆく新八郎……
諸価値のせめぎ合う開国前夜。
家族にも、大人たちのつくり出す世界にも、
心の居場所を見出せない刈谷新八郎は、
北斎の〈龍〉に出逢い、生きる意味を掴みかける……