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服を纏った白骨
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不幸な自殺志願者たちはなぜ着衣の白骨遺体で発見されたのか?
謎が謎を呼ぶ新感覚本格ミステリー。

服を纏った白骨

¥1,320 (税込)

川嶋秋月

四六判・308頁(ソフトカバー)

ISBN 978-4-434-30813-0

2022年8月発行

東京動物公園オオカミ放餌場で、オオカミによってバラバラに噛み砕かれた着衣の白骨遺体が見つかった。
その後、秩父地方の大橋の袂でも服を着た白骨遺体が発見される。

一方、医師免許を持つ弁理士の羽生絹は、偶然落とし主不明のボイスレコーダーを拾う。そこには集団自殺に参加する自殺志願者の男女五人と、自殺志願を装って参加したルポライター、聖職者の計七名の会話が録音されていた。
自殺志願者たちは、イジメなどの辛い境遇から、そろって死後は幸せなアニメや映画の舞台に生まれ変わりたいと話す。だが聖職者が彼らの自殺を止めようと説得し、全員が自殺をやめると言い出した。
その内容を聞き、これが白骨遺体事件の被害者の会話だと推理した絹は、レコーダーに残された謎の地名「レッドマウンテンストーン」を手掛かりに、警察と協力し、医師及び弁理士の知識と並外れた推理力を駆使して次々と謎を暴いていく。
なぜ彼らは服を着せられたまま白骨と化したのか。集団自殺首謀者の目的は単なる「ほう助」か、それとも。

張り巡らされた伏線によって最後の黒幕が判明したとき、明かされる意外な真実、訪れる悲劇とは?

著者紹介

川嶋秋月(かわしま・しゅうげつ)
1944年大阪府生まれ。大阪大学工学部精密工学科卒業。電気系会社で生産技術や開発を担当したのち、国内特許事務所に入所して特許業務に携わる。その後独立し、特許事務所を自営しながら、弁理士会の役員、弁理士試験委員を歴任し、充実した弁理士生活を送った。

そして、人生の集大成として、退路を断つべく特許事務所を廃業し、少年時代の夢だったミステリー作家に挑戦。
この作品は、平成31年度江戸川乱歩賞の一次選考通過作品を大幅に改稿したもの。