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ペルーの日系詩人ホセ・ワタナベ 「日本人性」とアイデンティティの追求
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ペルー現代文学において、最も重要な詩人ホセ・ワタナベの「日本人性」についての考察

ペルーの日系詩人ホセ・ワタナベ 「日本人性」とアイデンティティの追求

¥2,200 (税込)

著者:ムース ランディ

A5判・176頁(ソフトカバー)

ISBN 978-4-86522-093-3

2016年7月発行

ペルーの日系詩人ホセ・ワタナベ(Jose Watanabe Varas 1945-2007)は、ペルー国内ではもとより、海外においても詩人として注目を集める存在である。国内では、ワタナベは、ペルー現代文学において最も重要な詩人であるとみられており、同時代の文学者の中できわめて特徴のある文学者とされている(Chirinos 2003, Lee-Distefano 2008, De Paz 2010)。

2007年にPremio Jose Watanabe Varas(ホセ・ワタナベ・バラス文学賞)が作られた。これはペルーにおける最も著名な作家達が関わっている全国短編大会において、授与される文学賞で、ワタナベの名前を冠して彼の業績を顕彰している。
同年にラレード市においてもこの日系詩人を記念するBiblioteca Jose Watanabe Varas(ホセ・ワタナベ・バラス図書館)が設立され、 またペルー文学界において最も注目されているイベントとされる毎年のリマ図書展においても、ワタナベを記念する様々なイベントが開催されるなど、ペルー文学界の重鎮の一人である。
ワタナベの作品 La piedra alada(翼のある石)は、2005年、スペインで最もよく売れていた詩集であって、この作品によりスペイン語圏の文学界においてもゆるぎない存在となったとされている。

そのホセ・ワタナベの「日本人性」を考察し、彼が日本人である父親を敬愛する表現として自らそれを構築したとし、それに基づいて自己のアイデンティティを形成した経緯について論じていく。

アイデンティティ、つまり自己のライフストーリーとその形成概念については、心理学のナラティヴ・アイデンティティ理論の視点から考察し、また、様々な学説を参考にし、一般的な理論の構築を試みた。

ホセ・ワタナベが、どのようなスクリプト(物語論的筋書パターン)に沿って、自己のライフストーリーを作り上げているかを知ることができれば、彼の詩作過程や作品そのものをより深く解釈できるのではないかと考える。

目次

第1章 序文
第2章 歴史的背景
第3章 自伝的背景
第4章 アイデンティティ理論の枠組み
第5章 ホセ・ワタナベにおけるナラティブ・アイデンティティ
第6章 作品におけるナラティヴ・アイデンティティの構築
第7章 結論
付録 ホセ・ワタナベとのインタビュー

著者紹介

ムース ランディ
畿央大学 教育学部 現代教育研究学科准教授
比較文学・南米文学・日本文、そして外国語学習法が専門。
文学は、文化、時代の特色、人間心理や歴史の減少を理解し、過去やトラウマ、後悔、アイデンティティなどの人生の課題を追求する上で重要な役割を果たすと考える。現在の主な研究テーマは、文学作品における文化的アイデンティティの追求。