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天空スナック

純文学が色彩豊かに躍動する。

天空スナック

¥--- (税込)

髙木智視

文庫判・246頁(ソフトカバー)

ISBN 978-4-86522-130-5

2017年7月発行

販売を終了しました

第12回三田文学新人賞受賞作「かさがみ」を含む本格短篇集。

◎それでも僕は幸せだった
いじめられっ子だった「ぼく」と、子犬チッコの物語。
ボクシングを覚え拳を固めても、不条理な出来事は続く。
ふつうって何だろう。忘れ得ぬあの頃を振り返る。

◎天空スナック
大学生の真人は、トラウマを抱えた恋人・朋子と、娼婦・美羽との出会いに揺れる。
失踪した母からの伝言、ボードレールの幻…。
崖の上に立った天空スナックを巡る物語。

◎カブトムシ
カブトムシの死骸をバラバラにして描く老人は、母の知り合いだった。
親孝行をし損ねた裕美は、母の頼みで老人の面倒を見ることに。
老人が絵を描きあげたとき、二人のあいだに何が生まれるのか。

◎木
ある日、道夫の身体にイボができ、やがて根を張り、緑の葉が伸びた。
妻は木に変貌した理不尽な境遇の夫を気遣いながら、また別の男に電話をかける。

◎かさがみ
オジャモと妙子の住む集落では、五、六年周期で不幸が起こる。
そして、またやってくるおんびきの年。
近く焼かれる予定の山裾の社「かさがみ」に白装束のへんどが住み着いた。

著者紹介

髙木智視(たかぎともみ)
1967年生まれ。香川県出身。慶應義塾大学仏文科卒。
第12回三田文学新人賞受賞。大桑文化奨励賞受賞。