無垢な存在の逆説。
独特の幻想的な筆致で描かれた長編小説。
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虚構
A6判・110頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-86522-127-5
2017年6月発行
穴の中に何かが見える。
もはや人の形をとらないそれは、人形のように美しいと噂される、行方不明の少女。
名前を「桐生アリス」という。
秘密基地で見つけた、不思議な穴のアリス。
私の手を引き、現実に引き戻してくれるアリス。
お腹で胎動するもう一人のアリス。
無垢なアリス達が、ルイス・キャロルのパラドックスの上を滑っていく。
そして時は流れ、「桐生アリス」と名乗る女が山村の町の深夜、バスに乗り込んでくる。
「桐生アリス」とは一体何者なのか?
そして「桐生アリス」を名乗る女を乗せたバスは、
白兎のような軽やかな足取りで深い雨の山を進んでいく――。
『双生寓話、多胎。或いは誘蛾二人狂い』に続く
虚構、第2弾小説。
虚構(きょこう)
1989年12月8日生まれ。鹿児島県出身。