近代的農民運動の先駆者である
民次郎の生涯を追いかけた渾身の伝記。
¥1,320 (税込)
小御門護
四六判・148頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-86522-241-8
2021年1月発行
福岡県における小作料減額運動の最初の提唱者であり、近代的農民運動の先駆者でもあった小御門民次郎の伝記本。
明治時代最後の農民一揆である「亀山騒動」に遭遇したことで、波乱に満ちた生涯を送った民次郎の生涯を、甥である著者が紐解いた1冊。
小御門 護(こみかど まもる)
1940年、父・恒吉と母・ヨシノの三男として、北九州市八幡東区に生まれる。
赤紙で招集された長男が、終戦の1カ月前、昭和20年(1945)7月、輸送船で、800名の兵員の一人として、博多港から大陸へ向けて出航した。友軍に守られることもなく博多沖で撃沈され、全員、犬死のような戦死であった。
物心がついたころ、両親が毎日のように、長男の戦死を悔やむ話を、横で聞かされる日々を送った。定時制高校に通いながら17歳から、工作機械工場の仕上工として働き始める。
兄の命を奪った戦争を二度と繰り返してはならない。そのための仕事に生きようと決心。
成人してから、平和・民主運動、労働運動を始める。
33歳のとき、国立病院や療養所の組合組織、全日本国立医療労働組合(全医労)九州地方協議会の団体職員・役員として働き始め、約30年間勤務する。