がんに関する様々な情報を取りまとめた
「がん予防のトリセツ」
¥1,000 (税込)
徳留信寛
四六判・200頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-434-30503-0
2022年11月発行
本書はがんの現状と動向、がんの種類、がんの要因、1次予防(健康増進・疾病予防)および2次予防(早期発見・早期治療)など、がんに関する様々な情報を取りまとめた「がん予防のトリセツ」です。
最近の統計によれば、一生の間に2人に1人がんにかかり、4人に1人がんで死亡します。男女とも死因のトップです。がんは普通のおじさん・おばさん、おじいさん・おばあさんの身近な病気であり、死因です。他人事ではありません。
ひと昔前まで、がんは「死に至る病」であり、がん予防や治療のことを話すのは気重なことでした。今日、生存率に大幅な改善があり嬉しいかぎりです。しかし、発生予防を怠り、がん検診を受けず、手遅れになると致命率が高い疾病です。
予防は治療に優る。がん誘う生活習慣を見直し、香道変容を行なうのがよい。すなわち、タバコを止め、ほろ酔いかげんとし、ワクチンを接種し、除菌し、抗ウイルス薬を服用する。発がん物質への職業性曝露、診断・医療上の頻回・高線量の放射線曝露は避ける。バランスよい食事を摂り、身体を動かしていい汗をかき、肥満、内臓脂肪・異所性脂肪蓄積、2型糖尿病、メタボリック症候群を改善し、睡眠を適切にとり、ウォーキング、ジョギング、太極拳などを楽しみ、ウエイトコントロール、ストレッチングをする。これで6~7割のがんを予防し、先延ばしできます。
以上の1次予防行動とともに、前がん・先行・併存病変の有無にかかわらず、無症状でも定期的にがん検診(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、前立腺がん)を受診すれば、7~8割のがん死を回避し、先送りできます。家族性(遺伝性)腫瘍症候群の素因がある方は発生予防生活に加え、若い頃から専門医による定期的フォローアップ、カウンセリングを受けましょう。
長生きだけが目的ではありませんが、予防できるがんは予防し、治せるがんは治すというのが本書のコンセプトです。がん1次予防・2次予防に関わる最新情報を参考にして、習い癖・生活習慣をリセットして健康寿命を伸ばし、QOLの高い人生をお送りくだされば幸いです。
徳留信寛(とくどめ・しんかん)
九州大学、佐賀医科大学、名古屋市立大学に勤め、国立健康・栄養研究所で働き、食・運動と健康増進、生活習慣病の予防、職業性肺がん、感染症関連がん、食生活関連がんなどに関する研究に従事してきた。本書は著者のライフワークである。