心に深く刻まれた情景によって紐解かれる、
鮮やかなメモワール。
¥--- (税込)
中山とし子
四六判・176頁(ハードカバー)
ISBN 978-4-434-20490-6
2015年5月発行
老いへの鋭い眼差しといつくしみ、社会の隅に忘れられがちな人々への共感、不器用に駆けぬけた昭和と平成を、著者らしい率直な語り口でよみがえらせた佳品。
汽車での忘れ物がきっかけで届いた「手紙」、
先生好きとなった小学一年の重大な「事件」とは、
奇妙な〝同居者"との独身時代を描く「カマキリを好む」、
日本語教師として分析を試みた「茶わん虫のうた」、
禅が取りもつアメリカ人との「不思議な縁」、
生き物とのきずなを描く「バイバイ、オヤスミ」
「ある鵯一家の物語」など、20編を収録。