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古代マケドニアの王妃テッサロニケ ―「テッサロニキ」の町の名の由来になったアレクサンドロス大王の妹
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ギリシャ第二の都市テッサロニキに由縁の深い、悲劇の王妃テッサロニケの生涯を描く歴史小説

古代マケドニアの王妃テッサロニケ ―「テッサロニキ」の町の名の由来になったアレクサンドロス大王の妹

¥550 (税込)

竹中愛語

文庫判・284頁(ソフトカバー)

ISBN 978-4-86522-360-6

2023年11月発行

古代マケドニアの王フィリッポス二世は、テッサリアでの大勝利を記念して、生まれたばかりの第三王女に「テッサロニケ(=テッサリアの勝利)」という輝かしい名を授ける。だが、テッサロニケはその大好きな母を三つの時に亡くし、勝利とは程遠い孤独な少女時代を送る。  

内気でおとなしいテッサロニケは、密儀にのめりこむ養母オリュンピアス(アレクサンドロス大王の生母)に恐怖し、やさしい異母兄アレクサンドロスを慕う。しかし、アレクサンドロスはアジアへの大遠征に出撃し、32歳の若さで病死してしまう。  

アレクサンドロス大王の急逝後、野心に滾る将軍達は血なまぐさい権力闘争(ディアドコイ戦争)を繰り広げる。そして戦いのさなか、テッサロニケは将軍のカッサンドロスに捕えられ、妻とされる。  
カッサンドロスは、アレクサンドロス大王の一族(母、息子、妃たち)を皆殺しにする。また、この男には、大王そのひとも毒殺したという憶測も立っていた。  
養母や甥を惨殺したカッサンドロスに対する憎悪、肉親を見殺しにしたことへの強い罪悪感、亡兄アレクサンドロスと夫カッサンドロスとの間での板ばさみに、テッサロニケは懊悩する。カッサンドロスの狂気じみた言動にも戦慄するが、日ごろ示してくれる愛情とやさしさ、三人の息子達と過ごす心穏やかな時間は、テッサロニケにとって何物にも代えがたいものであった。  

都市テッサロニキやアレクサンダーモザイクの誕生秘話も織り交ぜながら紡がれる悲劇の王妃テッサロニケの物語。歴史好き、古代史好きにお勧めの歴史絵巻である。

著者紹介

大阪府出身。京都女子大学大学院文学研究科博士後期課程修了(博士〔文学〕)。
著書に『聞け、天の声を―太平天国始末記』(文芸社、2016年)、『彗星のごとく―アレクサンドロス大王遠征記』上下巻(文芸社、2019年)、『テーバイの将軍エパミノンダスとペロピダス―古代ギリシア英雄伝』(幻冬舎、2023年)がある。