西果ての都トーノミア
~配流の才人が見た遠の朝廷の物語~
¥1,100 (税込)
敷島怜
四六判・628頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-86522-318-7
2022年10月発行
時は今から千年ほど昔。王と貴族が治める国イコクのヘーアンの都で、中流貴族で学者の家系のプラム家に生まれたドーシンはその類まれな頭脳と誠心により朝廷で第二大臣の位に昇りつめるが、政敵に陥れられ無実の罪で遥か西方の島キュウコクのトーノミアへと左遷される。トーノミアでドーシンを待ち受けていたのは、窮乏を極める厳しい謫居生活だった。
だが地元の少年ソータを始めとする様々な人々との出会いによりドーシンの暮らしぶりは徐々に変化をとげ、やがてキュウコクを揺るがす大きな歴史の渦に飲み込まれてその運命を変えて行くこととなる。
敷島怜(しきしま・りょう)
福岡の、菅原道真が謫居していた南館のわりと近くで生まれ育ちました。小学校の校歌にも「菅公」「恩賜の御衣」といった言葉が入っていましたが当時は意味がわからないまま歌っていて、「かんこう」は「観光」だと思っていました。それから長い年月が経ってこの物語を書くことになったわけですが、あの校歌がなければこのお話も存在しなかったかもと思うと不思議な気持ちになります。
この本を通して、地元・福岡の人たちが今まで何気なく通っていた土地や場所に実は様々な由来や伝説があったと知ることで、日常生活が少しだけ面白くなるかもしれません。このお話はフィクションなので史実と違うところも色々ありますが、ふるさとの歴史に興味を持つきっかけになってくれたらいいなあと思って書きました。