画家としての業と家庭人としての安定、どちらを選ぶのか。
身体の中を風が吹き抜けたような読後感。
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著者:朽木曳一郎
四六判・284頁(ハードカバー)
ISBN 978-4-86522-029-2
2014年11月発行
学生時代、多くの人に衝撃を与えた作品『風餐』を描いた画家谷口亮三。家庭を持つことで、閉じ込めたはずの芸術家としての業が、仕事のひとつのハプニングから、いやおうなしに浮き上がってくる。その過去の翳と不思議な女性粧子との出会いの渦に巻き込まれ、翻弄される谷口。日常と非日常が交差するような美しく切ない物語。
朽木曳一郎(くちき・えいいちろう)
本名 鈴木幸夫
東京都稲城市在住。
1972年法政大学文学部中退。
シナリオ作家協会主催シナリオ研究所入所。
数本のシナリオ制作と助監督を務める。
1976年以降長い隠遁生活に入る。
表紙カバー 加藤義雄画「幽桐」