「其方の声音は正しく朱姫の声音である…」
声が誰かに似ているせいでとんでもない状況に追い込まれた塔子の運命は!?
¥1,100 (税込)
柚木壱
A6判・692頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-434-34557-9
2025年1月発行
佐田塔子は中堅広告会社に勤めるアラサー女子。年下彼氏との結婚を夢見ているが中々ゴールイン出来ないでいる。
そんなある日、塔子は小さい頃から好きだった絵本作家の絵画展に出掛ける。
そこで彼女は「菊の庭」の絵と出会う。
亡くなる間際に母が話していた「菊の庭」。母の話に出て来た緋色の着物を着た少女。
それを描いた絵が展示されていたのだ。
「ずっと母の夢の話だと思っていたのに……」
是非、この絵を描いた「東郷ハル」に会って話を聞きたい。
塔子はハルの息子「東郷コウ」にそれを伝えて欲しいと伝える。
山奥の瀟洒な一軒家に家族と住む女流画家。
そこを訪れた塔子。
だが、実はハルの家族は全て人外だった。
甥のセイ(青龍)、息子のコウ(麒麟)、猫のハク(白虎)。
ハルは人間であるが、セイはハルの夫だった。
そして時折ハルの家を訪れる雪女、幸姫。
彼等は遠い昔に失われた朱姫(朱雀)の魂魄の欠片を探して集めていたのだ。
黒くて重いマント。彼等はそれを羽衣と呼ぶ。
それを身に着け、自在に時空を渡り歩き、朱姫の魂魄を回収する。
その朱姫に声が似ている塔子。
幸姫に連れ去られ、否応無しに冒険に巻き込まれる。
朱姫を深く愛していたコウ。
コウに惹かれて行く塔子。
冒険と恋の行方は――?
柚木壱(ゆずき・いち)
「橘考」~四季折々の異界 柚木琳の作者名で出版。