昭和から令和へと移る金沢を背景に
青春と恋と友情、苦みと深みの香る純文学。
¥1,650 (税込)
奥山和弘(おくやま かずひろ)
四六判・278頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-434-33711-6
2024年4月発行
大学生の杉崎一樹と院生の志摩貴久は、中島敦の名作『山月記』の〝謎〟に挑む。やがて、二人の前に、それぞれの青春の質を決定づけるような女性が現れる。〝謎解き〟の過程で語られた数々の文学的エピソードが、伏線であったかのように、実人生に重なってゆく。
舞台は、昭和五十年代の金沢。大学はまだ城の中にあった。移りゆく季節の中で、「文学」と「人生」が切なく交錯する。
「ろまんちつく」...芥川龍之介の短歌『 憂しや恋 ろまんちつくの少年は 日ねもすひとり 涙流すも 』より
1954年静岡県藤枝市生まれ。金沢大学法文学部卒業。
元静岡県立高等学校教員。公益社団法人日本漫画家協会会員。
男女共同参画社会の啓発のための『「男だてら」に「女泣き」』(文芸社)、『モモタロー・ノー・リターン&サルカニ・バイオレンス』(十月舎)などの著書もある。