現在から過去へ、そして未来へと、哀しく、やさしく想いをつなぐ物語。
¥1,100 (税込)
倉田周平
四六判・216頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-434-32563-2
2023年9月発行
高速道路の小さなパーキングエリアで便乗させてもらった大型トレーラー。
そのトレーラーの車内で、カメラマンの広川太一が体験する真夜中のハイウェイドライブ、その奇妙な世界。
現実も虚構も、もしかしたらあらゆることなすことすべてが、無限の本数で往復する時空の絹糸によって、細かく繋がっているのかもしれない。
そしてここにある「今現在」だって、ひょっとしたら過去から未来へと繋がって行く、虚構の砂粒の積み重ねによって出来上がっているのかもしれない。
過去高速道路上での大きな事故で命を失った者たちの強い想いから、今生きること、生きているからこその大切さを感じられる物語。
どんな人であっても、どんな人生にあっても、自分の家には待ってくれている人が必ずいる。
それは、人によって或いは様々な運命や事情によって、その待っている人の姿かたちが見えぬことも場合によってはあるのだろう。
けれどもそれはそれとして、誰にでも自分の家には必ず待ってくれている人が確かに存在する。生きてさえいれば、誰もが一人ではないのだ。
だから、自分の家に、自分の心の家に、心を浮かべて帰ろうか。ただいま…。
倉田周平(くらた・しゅうへい)
本名・渡邉和彦
1955年3月 広島県福山市生まれの東京育ち。
早大理工学部応用化学科卒業。
総通東京デザインスクールコピーライティング専科卒業。
日本脚本家連盟育成会、日本中央文学会会友及び、放送大学教養学部科目履修生等を経て文筆活動。
近代文芸社刊書籍出版、パレード星雲社刊書籍出版及び、電子書籍出版あり。
1997年 NHK札幌シナリオ募集奨励賞。
1998年 コスモス文学会奨励賞。
1999年 NHK広島シナリオ佳作受賞。