昭和というネットもスマホもない時代、あのころの私がここにいる。
¥1,320 (税込)
言田みさこ
四六判・202頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-434-29065-7
2021年7月発行
純白の美の片鱗を持つ女性像を
ひとつは内側から
<道子>の気持ちや考えの中に
ひとつは外側から
<私>という見苦しい世間があぶりだす悲恋の中に
心の内側と世間という外側から描いた2つの小説集
「小さな芸術家」
戦後の貧しい家に養女として育った道子。
実の母から冷たい目を向けられても、愛を求め、自分の夢や考えを持ちながら前を向いて生きている。
家族を亡くし、孤独と疎外感のなかで、ひとり生きていくことを決めた道子に見えたひとすじの光。
「春の寂寥」
私は、思春期の人間関係からの教訓で、何事もほどほどにという信念を持ってきたはずだった。
ある時、勤め先である田舎のガソリンスタンドで起きた、痴情のもつれ。持ち前の正義感から関係を解きほぐそうと、彼女の起こした行動が思わぬ悲劇を生むことになる。
言田みさこ(いいだみさこ)
1949年生まれ。神奈川県出身。女子大中退。
著書:自分史『そよ風と風船』(文芸社) 、 長編小説『白夢の子』(東京図書出版)